【コラム】「猪名川アラカルト」第7回 上流域に生息する指標生物の代表「サワガニ(沢蟹)」について

川西市域・猪名川の自然と生きもの「人・くらし・自然」
環境省 環境カウンセラー 牛尾 巧

 サワガニ〔沢蟹〕は、日本固有種で、青森県以南に生息し、一生を淡水域で過ごします。猪名川水系でも、川の最上流から上流域にかけて生息します。沢蟹の和名どおり、水がきれいな渓流(沢)や小川に生息するので、生物学的水質判定法の水質階級I(きれいな水)の指標生物に指定されています。
甲幅20~30mm、体色は甲が黒褐色・脚が朱色のものが多く、青白いもの、紫がかったものなども見られます。甲羅は滑らかで、モクズガニのような毛などはありません。多くのオスは、右の鋏脚が左よりも大きくなります。
日中は石の下などに潜み、夜になると活動が活発になりますが、雨の日などは日中でも行動し、川近くの民家や林、側溝や路上にいることもあります。活動期は春から秋まで、冬は川の近くの枯れ葉の下や岩陰などで冬眠します。
雑食性で、カワゲラ、トビケラなどの水生昆虫、ミミズ、カタツムなどを食べます。天敵はカワセミ、サギのなかま、イノシシなどがいます。


春から初夏にかけて交尾を行い、その後メスは直径2mmほどの卵を数十個産み、腹帯の内側にある腹脚に抱えて保護します。卵は他のカニに比べると産卵数は少ないですが大粒です。孵化する際には既にカニの姿の稚ガニになっています。稚ガニは、しばらくは母ガニの腹部で保護されて過ごします。猪名川にも生息するモクズガニは、幼生時代、海で過ごさないと成長できませんが、サワガニは一生淡水で生活し、寿命は数年~10年程です。
また、サワガニは、寄生虫の中間宿主となっているので、食べる際には、よく火を通す必要があります。唐揚げや佃煮にして食用にされることがあります。

最上流域のようす

上流域:観察会ガンバリ中

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