【コラム】オオムラサキ第6回目;5月

兵庫丹波オオムラサキの会
会長 足立 隆昭

4月は、越冬幼虫がエノキに登り陣取り(台座をつくる)をして青葉が茂るのを待つ様子をお話しました。
エノキの若葉が展葉をはじめ褐色の越冬幼虫の背中の突起部分が若葉色がかり若葉を食べ始めるとほぼ同時に4齢から5齢へ脱皮(写真参照)が始まります。
今回は脱皮についてお話します。

脱皮について(参考)

<広辞苑第六版>
昆虫や甲殻類などの節足動物や線形動物のように体表に堅いキチン質の殻をもつ動物が、成長の過程で古い殻を脱ぎ捨てること。節足動物では脱皮に伴って変態し、昆虫類では通常幼虫期に5~7回、蛹で1回の脱皮を行い成虫になる。しかし甲殻類や無翅昆虫では成虫になっても脱皮を続ける。カエルやヘビなどの脊椎動物が皮膚を更新することも脱皮という。
<生物事典>
動物が個体発生の段階で皮を脱ぐこと。
無脊椎動物の多くは外部骨格が発達しているため、成長の過程で顕著な脱皮現象がみられるが、脊椎動物でも両生類、爬虫類でよく知られている。鳥類の換羽も同様の現象と考えられる。脊椎動物ではチロキシン、昆虫類ではエクジステロイド・幼若ホルモン、甲殻類ではY器官のホルモンが脱皮について支配的に働いている。

オオムラサキの脱皮

オオムラサキの一生は年一化性(年一世代)です。
卵から幼虫になる・・・孵化・・・初秋
幼虫が発育する・・・・脱皮・・・初秋~初夏
幼虫が蛹になる・・・・蛹化・・・初夏
蛹が成虫になる・・・・羽化・・・夏
次世代に繋ぐ・・・・・産卵・・・夏~初秋
オオムラサキは1齢から6齢まで5回の脱皮をします。
蛹化を脱皮と考えると計6回の脱皮となります。

チョウ目では下記のように幼虫の齢数はほぼ決まっています。
科名      齢数      脱皮回数
アゲハチョウ科   5齢       4回
シロチョウ科    5齢       4回
シジミチョウ科   4齢       3回
タテハチョウ科   6齢       5回
セセリチョウ科   5~8齢      4~7回
昆虫の皮膚はかたく(外骨格という)脱皮しなければ体が大きくなれません。
外骨格を持ったことが4億年も生き続けられた戦略の一つと考えられています。

オオムラサキの4齢から5齢の脱皮の様子(5分間)

オオムラサキの幼虫は、1齢から4齢までは越冬する体をつくり、5齢から6齢は子孫を残すための強い体をつくる役割をします。

 

参考文献

チョウの生物学:本田計一・加藤義臣(東京大学出版会)  広辞苑第六版  生物事典
写真:足立隆昭動画より抜粋

 

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