【コラム】猪名川アラカルト第14回 ヘビトンボ:“孫太郎虫”“川ムカデ”などと呼ばれる理由は?
川西市域・猪名川の自然と生きもの「人・くらし・自然」
環境省 環境カウンセラー 牛尾 巧
ヘビトンボも、猪名川にすむ水生生物の代表です! 水質階級Ⅰ級の指標生物
ヘビトンボ(ヘビトンボ科)は昆虫のなかまで、ヘビトンボのほか、ヤマトクロスジヘビトンボなどがいます。猪名川本流や一庫大路次川・芋生川などの支流にも生息しています。
幼虫は、体長約50mmで、渓流にすみ、体は細長く、頭部は頑丈で顎〔あご〕が強く発達しています。腹部には体節ごとに一対の鰓足〔さいそく〕があり、文字通り鰓〔えら〕の働きをします。ヘビトンボの鰓足は羽状で、ヤマトクロスジヘビトンボの鰓足は羽状になっていません。上流域の流れのある川底の石の下に生息し、水質階級Ⅰ級の指標生物です。
強い肉食性で、この幼虫が一匹いると、他の水生昆虫が襲われ、捕食されていなくなると言われています。私の調査の限りでは、そんなことはないように思います。むしろ、河川環境の変化で、ヘビトンボの個体数が減少している場所もあるようです。その姿から“川ムカデ”とも呼ばれ、噛み付かれるとふくれあがるほど強力ですが、ムカデのような毒はありません。幼虫は、古くから孫太郎虫(まごたろうむし)と呼ばれ、子どもの「かんのむし」に効く薬になっています。
蛹になる場合〔蛹化〕は、陸上に上がり、河川岸部の石の下などに入って蛹になります。
成虫は、比較的大きな昆虫で、体長40mm、羽を広げると、左右の長さ100mmくらいになります。大顎が大きく、噛み付く力も強いです。コナラやクヌギなどの樹液を主食としています。ヘビトンボの和名は「蛇蜻蛉」と書きますが、名前の由来は、大顎で噛みつく習性を蛇に準えて付けたものと言われています。成虫は、市内中北部の河川や小川に近い電柱や看板、自動販売機などの灯火にも飛んできます。