【コラム】オオムラサキ 35回目 : 2021-1月号
兵庫丹波オオムラサキの会 会長 足立 隆昭
オオムラサキの越冬
1,2020年3月15日越冬幼虫調査・・・丹波市
2.越冬の仕組み:休眠と耐寒性
熱帯域を起源とする昆虫は温帯域の季節変動は厳しい環境にさらされます。
その対策として昆虫は活動期(成長・繁殖)と休止期(静止・休眠)を持ち、休眠が季節対応の主な手段です。
休眠する時期は、種により遺伝的に決められ、生活に厳しい冬や夏の回避のみならず、餌となる寄主植物の利用可能性やその有無にも適応した、季節戦略を取っています。
休眠の特徴は、休眠中の昆虫を発育や繁殖に適した条件下においてもすぐに再開することはできません。
オオムラサキを始め多くのチョウは冬休眠が一般的です。
体の大型化(一化性)を選択したと考えられるオオムラサキは、夏7月の新生幼虫(3齢期)は長日により成長抑制し、秋の短日を受け、短角で・皮膚が硬化し・絶食状態の休眠型(4齢)にほぼ揃って成長し越冬休眠態勢に入ります。
越冬休眠態勢に入ると代謝活性を低下させ、冬の寒さに耐える生理的および生化学的な仕組みである耐寒性を発揮します。
耐寒性には、①非耐凍性:体が凍らない仕組みと②耐凍性:体が凍っても生存できる仕組みがあります。
オオムラサキは、凍害防御物質がトレハロース(2月は8月の約5倍の濃度で過冷却点が―23.5℃)で非耐凍性(体が凍らない)の仕組みを持つ4齢幼虫です。
寒波が予想される2020年11月と2021年2月の越冬幼虫を用いて過冷却点時のトレファロース濃度を再確認中です。(神戸大学)
3.朗報‼
当コミュニティのメンバーである石津容子さんが尼崎信用金庫の第10回「あましんグリーンプレミアム」事業の環境活動部門に応募、最終選考の11月20日「日本一の里山を持つ川西市を国蝶オオムラサキの里に!」をプレゼンテーションされ、見事に受賞されました。

参考文献:チョウの生物学 東京大学出版会
文責:足立 隆昭
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