【コラム】オオムラサキ 38回目 : 2021-4月号
芽吹きとともに食樹(エノキ)に登るオオムラサキ越冬幼虫
・エノキに登り座に落ち着いた4齢幼虫
越冬幼虫は長日化する日長時間の変化やエノキの芽吹きとともに発散する匂いや自らの体内時計などにより目覚めると考えられています。目覚めた幼虫は昨年の晩秋に
降下した時に吐いた糸をたどり、エノキにたどり着き、根元から幹へ、枝へたどり着くとされています。
幹や枝に登った幼虫は目立たないように枝の分岐部や、枝が落ちた節などに数日間静止し、座を作り角や背中の突起が徐々に緑色を帯びてきます。
その後エノキの葉を充分に食べ、5月中旬に蛹になり、6月上旬に美しいチョウになります。
・台座に戻り、テリトリーを確保する6齢幼虫
一枚の葉が白くなるほど糸を吐き、台座(居住)を作ります。
台座の糸は餌(エノキ葉)を食べるため移動した枝や葉に張り巡らされています。
台座の糸を腹足で引っ掻き、巡らした糸に振動と音を伝え、テリトリーを守ります。
・採集した越冬幼虫を飼育する時の心得と課題
・幼虫にできるだけストレスをかけない事が必要です。
・過密な放虫はしない。
・越冬幼虫1頭が成虫(チョウ)に育つエノキの葉の必要量の把握と必要とする
テリトリーの面積の把握をすることが課題と考えます。
参考文献
季刊:生命誌3号 長島孝行
オオムラサキ 品の毎日新聞 栗田貞多男
チョウの生物学 東京大学出版会
文責 足立 孝昭
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