【コラム】植物は好奇心の宝庫(その⑱)青い花
藤原和夫
花の色と言えば、チューリップの花の歌詞ではありませんが、赤・白・黄色がまず頭に浮かぶ、という方が多いのではないでしょうか?
確かに、赤・白・黄色を基調とする花が多いのは事実ですが、それ以外の色についてもほぼ全て、自然界の花や葉、樹皮の中に見出せます。
そんな中で、“青い花”は注目を集めることが多い様です。
比率は低いものの、アサガオ、アジサイ、アネモネ、桔梗、ヒヤシンス、ペチュニア、ルピナスなど、青い花を見かけることは多く、決して珍しいものではありませんが—-。
さて、植物の世界では種々品種改良に向けての研究が続けられており、自然界で見られない色の花を咲かせようと言う研究も盛んですが、“あり得ない青い花”を咲かせる新品種の作出には注目しています。
中でも、サントリーが2004年6月に世界初の青いバラの開発に成功と広報発表を行った“パンジーの青色遺伝子を利用した青いバラ、Blue Rose”はマスコミでも多く取り上げられました。
このサントリーの青いバラは、アグロバクテリウムという細菌を利用した遺伝子組み換え技術によるものですが、元来このアグロバクテリウム菌は果樹やキク科、バラ科の植物などに根頭癌腫病(こぶ病)をもたらす厄介な細菌です。
ところが、この菌の研究を進めていくうちに、遺伝子組み換え技術に応用できることが判り、大豆などの除草剤耐性植物の開発にも使われていると言うことですから驚きです。
そのサントリーの青いバラですが、ご覧の通り(↓)薄紫といった感じで、その花色は1957年にアメリカで開発され、50年以上前から日本の各地で栽培されているスターリング・シルバーという品種のバラとよく似ています。 サントリー自身現在の花色に満足しているわけでなく、真の青を目指して今も開発に努めておられると言うことです。
一方、胡蝶蘭にも青は存在しない筈ですが、ある所で素晴らしい青の胡蝶蘭を発見。早速、店の方にお聞きしたところ、笑い乍ら“青いインクを吸わせているんです”ということでした。
偽物は兎も角、本物の青い胡蝶蘭、鮮やかな青い花を咲かせるエビネ、君子蘭、ひまわり、プルメリアなどが現われれば是非育ててみたいですね。
最後に、感動を覚えた青系の花を2種ご紹介させて頂きます。
その1:チリ原産の球根植物、テコフィレア シアノクロッカス (Tecophilaea cyanocrocus)。
直径5cm程度の小さな花ですが、濃い青は神秘的でもあります。
その2:フィリピン原産のつる性植物、ヒスイカズラ(Strongylodon macrobotrys)。
花は青と言うよりも翡翠色ですが、植物園の温室で初めてお目にかかったヒスイカズラは感動的でした。






