【コラム】植物は好奇心の宝庫(その⑳)花の命
藤原和夫
花のいのちはみじかくて 苦しきことのみ—–と詠んだ林芙美子は一体何の花を頭に描いていたのでしょうか。
“花の命の長さ”は、一つ一つの花の開花時間なのか、樹(株)全体を見て花が咲いている期間全体を指すのか、基準は人それぞれ?
理屈は兎も角、今回は、私自身の経験をもとに花の命に感じたところを書かせて頂きます。
まず、春を告げる日本の景観の代表格のような桜。 桜には樹一杯に見事な花を咲かせた後、僅か1週間~10日程度でさっと花期を終えて風情を一変させるという力があります。
公園やゴルフ場などで咲き誇る桜の光景は素晴らしいとしか言いようがありません。
ただ、庭の植栽としての桜は開花期間が短くていささか寂しい気がします。
その点、桜と同じように枝先に多くの花をつけるボケは、桜ほどの華やかさはありませんが、開花期間が長く1ヶ月程度は花を楽しめ、成長が早く手入れも簡単で丈夫な植物ですから植栽にお薦めです。因みに、本来3,4月に開花するボケですが、“呆けて”秋から冬にかけて開花することもあります。
次に蓮。蓮については昨年6月のコラムでも書かせて頂いていますので、ご参照ください。
間近で見る蓮の花にはうっとりします。
蓮は、水中から花茎をするすると延ばして、開花を開始する1日目は早朝に開花して午後には花弁を閉じ、2日目は開花時間がやや長くなり午後の早い時間まで花弁が開いています。3日目は早朝に開花した後、そのまま花弁を閉じることなく、翌日には花びらを落として開花終了と言う感じで、“花の命は短くて”の典型のように思えます。
下の写真は熱帯睡蓮ですが、睡蓮の開花日数は蓮よりも若干長めです。

ただ、蓮、睡蓮はいずれも、定期的植え替え、枯葉の整理、水遣り等々結構面倒ですから、鉢数は少なめにしておいた方が良いかと思います。(ボウフラ対策としてメダカを泳がせているため、鉢から水があふれない様に水を注がねばなりませんが、これ結構大変です。)
次は、開花期間の長いアンスリウム。正確に計った訳ではありませんが1つの花が3~4ヶ月間咲いています。パフィオやシンビジュームの様な花弁の厚い洋蘭類も同じくらい開花期間が長いですから、これらの鉢植えを数鉢並べて年中室内で花を楽しむこともできます。

最後に。我が家で開花した花の中で最も開花期間が長かったのが、地湧金蓮という中国雲南省原産のバナナと同じバショウ科の植物です。コーヒーカップくらいの大きさの黄金色の花ですが、6月下旬から12月中旬頃まで、約6ヶ月間咲き続けていました。地湧金蓮はバナナと同様、寒さには弱いですが、最低気温が零下5℃になる我が家でも、戸外の鉢植えで越冬し開花しました。



