【コラム】植物は好奇心の宝庫(その29) 花の長期保存

藤原和夫

花を中心として植物の美しさに触れる機会は多いと思いますが、そんな感動を何時までも残しておきたいものです。 そんな時、写真や動画に残すようにしていますが、せっせと手塩にかけて栽培している植物が開花した場合などは、何とか立体感を持った形で残しておきたいと思ってしまいます。併せて、香りも残せればこれに越した事はありませんが—–。

できるだけ実物に近い形で残したい、と言う思いを些かでも実現すべく最初に取り組んだのはドライフラワーでした。初めは、単に乾燥させるだけでしたが、乾燥させた植物にスプレーでニスを吹き付けて、風化防止とツヤ出しを図ったりもしました。
ところが、どうしても退色しますので、それなりの風情はあっても華やかさに欠けます。
下の写真は、ドライフラワーに仕立てた蓮の花托やユーカリの葉などです。

そこで、次に取り組んだのが、バーバリウムという方法。シリカゲルの微粒を乾燥剤として用いて、色を落とさないように全体を乾燥させた後、シリコンを中心とした液体の中に浸漬して保存するもの。この方法の場合、できるだけ退色しなさそうな植物を選別する必要がありますが、いつまで元の色を保つか興味津々でした。 下の写真、左側は“ボケの花の花弁1枚が葉に変化したもの”と“ベゴニアの花”。右は、南アフリカの球根植物、“ブルンスビギア”の花。 いずれも、浸漬してから約3年ですが、かなり退色しています。

次は、7年前に開花、その後枯れてしまった“ムクナベネッティー”です。感動的な美しさを何とか残したいと思いました。

上手く残す方法が見つからず、結局アクリル樹脂で固める方法を選択しました。
下の写真、左側のものは生の花をそのままアクリル樹脂の中に浸けたもの、中央は生の花にオレンジ色の塗料を吹き付けた後アクリル樹脂の中に浸けて固めたもの。右側は、スプレーで色付けした生の花数個を泡立ち状のアクリル樹脂の中に浸けて固めたもの。写真は、封止数日後ですが、生の花は完全に色素を失い黒く変色しています。

で、下の写真は7年経過した現在の状態です。樹脂自体の変色が目立ちますが、まぁまぁと言ったところかも知れません。

下の写真は、“プリザーブドフラワー”です。生の花を乾燥させて色素を抜き取った後、人工的に着色したものと言うことで、自由な色に着色可能で長期間変色しないと言うことです。
一介の植物マニアには難しいかも知れませんが、挑戦したいと思っています。

最後は、“ボトルフラワー”と呼ばれるものです。ボトルフラワーは本来の花の色をそのまま残すもので、製作法には特許が成立していると言うことです。ただ、適不適は花によると言うことですから、私が求める方法でもなさそうです。

結論づけるのは早すぎるかも知れませんが、どんな花にも適用できる長期保存法は、
残念ながら暫く期待できない様に思います。