【コラム】猪名川アラカルト第10回 プールにもやってくる指標生物Ⅲ級“ミズカマキリ〔水蟷螂〕”
川西市域・猪名川の自然と生きもの「人・くらし・自然」
環境省 環境カウンセラー 牛尾 巧
ミズカマキリ(タイコウチ科)は、カマキリに似ていますが、全く別の種類です。体長は、40~50mmです。全国の水田や池沼の水中に生息していますが、環境の変化等で減少傾向にあります。市街地近くの池沼・プールでも観察されることがあります。
水中で呼吸するために、2本の長い呼吸管をもっています。飛ぶ力が強く、昼間でも頻繁に飛びます。肉食性で、他の昆虫や小魚、オタマジャクシなどが餌です。水中では、動くことはあまり上手ではありません。水中の植物や枯木を足場にして静止し獲物を待ちます。鎌状の前肢で捕らえた獲物に口吻を刺し、消化液を出して肉を溶かし、溶けた肉液を吸う体外消化の方法をとります。11月頃から水底で成虫越冬をします。
4月頃に目覚めた成虫は、5~7月に交尾し、雌が単独で産卵します。産卵は陸上の苔などに、尾端を何度もその中に差し込むようにして行います。細長く白い卵にはヒゲのようなものが先端に2本付いています。約10日間で孵化した幼虫は、水中生活を始め、5回ほど脱皮を繰り返した後、約40日で成虫になります。
タイコウチ(タイコウチ科)は、日本全国に分布し、水田等の浅い水域に生息しています。成虫は、体長30~35mmで、体色は褐色で、長い呼吸器をもっています。これを水面に出し獲物を待ち伏せします。肉食性で、鋭い前肢で魚類、他の水生昆虫等を捕らえ、口針から消化液を送り込み溶けた肉質を吸入する体外消化を行います。
11月頃に成虫で越冬し、寿命は2~3年、手で触れると脚を縮めて擬死をします。産卵期は5~8月で、雌は水辺の土や苔に卵塊を産みます。孵化した幼虫は、約2か月で5回の脱皮を繰り返し成虫になります。
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