【コラム】地球温暖化のお話(8)迫りくる水の危機
石津 顕
「日本人は水と安全はタダだと思っている」と約40年前にイザヤ・ベンダサンという作家が「日本人とユダヤ人」という本で書いていました。しかし私たち日本人も今では水はタダとは思っていないでしょう。でもまだ水に対する危機感は少ないように思います。
日本では蛇口をひねるとふんだんに上質の水道水が出て、トイレも風呂も洗濯もこの水。水を流したまま洗車をされる方も見かけますね。こんな贅沢に上水を使えるのは日本だけ。
私は3年間台湾・台北に住んでいましたが、風呂に水道水を貯めると薄黄色がはっきり判るくらいで、水道水も飲み水には使えませんでした。ジュースの氷もコワゴワでした。
地球は水の惑星と言われるくらい豊富な水があります。
しかし 地球上の水の97.5%は海水(塩水)です。2.5%の淡水の内の70%は氷河の氷、30%の淡水の90%以上は地中深くにある地下水や汚れた水で、自由に使えません。
自由に使える地表水は地球全体の水の0.01%以下。 世界人口70億の人が使える水は富士山一杯分しかないのです。
水は温暖化が問題になる以前から大変な問題なのです。その上、温暖化の影響が加わると・・・
水不足は地球温暖化による水循環の異変や人口増加・産業発展による水需要の拡大、人口集中による水質汚濁などいくつもの要因が複雑に絡み合って生じています。
世界では今、地球環境の悪化により水不足が相次いでいます。特にアジアやアフリカなどでは安全な飲料水を確保できない人々がたくさんいます。その数はおよそ12億人とされ、世界人口の約1/5に相当します。不衛生な水しか飲めず多くの子供たちが命を落としているのも事実です。泥水をすすって飲む子どもたち、心が痛みます。
2025年には人口増加に伴って世界人口の約2/3が水不足に陥り、また2050年には地球全体で水不足になると予測されています。
地球温暖化による気候の変動は水資源の分布に大きい影響を与え、乾燥地ではさらに干ばつが進み、多雨地域では洪水が頻発する・・・といった近年相次ぐ異常気象の大きな原因となり、水不足を加速させています。さらには水をめぐる国際紛争が起きるなど、負の連鎖は続くのです。
世界各地で多くの水を消費して作った食糧を大量に輸入している私たち日本人。世界の水不足は、日本で生活する私たちにも決して無関係ではありません。まずは、私たちの身近なところから節水を始めることが大切です。
(参考:地球温暖化白書 http://www.glwwp.com/main/food.html)