【コラム】猪名川アラカルト第17回 ヒラタドロムシ〔ヒラタドロムシ科〕:水質階級Ⅱ級の指標生物
ニックネーム:ウォーターペニー〔Water Penny〕
環境省 環境カウンセラー 牛尾 巧
幼虫から蛹化へ
幼虫は、体長約10mmで、水中で石にへばり付いて生活しています。体は扁平で丸に近い楕円形、小判のような形をしています。また、水の抵抗を抑えるために陣笠状になっています。この形は、体節を覆っている外皮が伸びてできたものです。
イギリスでは、Water Penny「水中のペニー銅貨」と呼ばれています。色や形から、日本では10円玉の小型版のようにも見えます。
体表の模様は様々で、茶褐色または黒っぽい色をしています。猪名川でも、上流から中流域の砂礫の底に生息しています。国交省の観察調査が行われる川西市多田地区のこんにゃく橋付近の川底でもよく発見されます。3対の脚と鰓が腹部にあり、石の表面をゆっくりすべるように動き、付着珪藻類を食べます。天敵は、カワヨシノボリやカワムツなどの魚類です。
幼虫で越冬し、翌年5月頃、石の下面や側面で蛹化、蛹〔さなぎ〕になります。

成虫から産卵へ
成虫の体長は6mm前後で扁平です。成虫は6月から7月頃、水中にもぐって卵を産みます。産卵は川底の水の中で行われ、石の裏側に卵を一面に生みつけます。卵の大きさは0.5mmくらいで、産卵数は数十個です。
夏休み、8月頃には灯火に飛来することがあり、おもに水辺の植物や岩陰などで生活します。川底の石をめくると、多数の成虫を発見することがあります。

参考:「生きている猪名川」