【コラム】猪名川アラカルト第18回 タニシ 〔田螺 〕は「田んぼのサザエ」とも言われます!水質階級Ⅲ級の指標生物
環境省 環境カウンセラー 牛尾 巧
昔から巻き貝のことを「ニシ」「ニナ」と呼び、「タニシ」は、「田の巻貝」という意味で名付けられました。田・池・小川などにすみ、泥底で生活します。水路の改修や農薬の影響で数が減っています。乾燥に強く、干上がったくぼみや水田の泥の中で越冬します。
6月~9月頃、水温が15度以上の条件のもと、雌は雄から精子を受け取り、雌の体内で受精します。タニシのなかまは、全ての種が卵胎生で、数十個の胎貝を産みます。
食べ方は、歯舌を使って表面の藻類などを食べますが、泥の中の有機物も食べ、水質浄化に役立つ面もあります。日本は、農耕文化が発展し、田んぼ、稲作、タニシの関係から、タニシを食用としていました。ツブ・田つぶ・田んぼのサザエという呼び方で食用にされています。ただし寄生虫の宿主になるので食用には十分に熱する必要があります。
日本には、タニシ科はマルタニシ、オオタニシ、ナガタニシ、ヒメタニシの4種が生息しています。ナガタニシは、琵琶湖だけに生息する固有種です。また、都市部の水路等で発見できるヒメタニシは、殻高約3.5cm、全国の水田、池沼、用水路など、多様な環境にすみ、汚染にも比較的強く、個体数も多いです。キセラ川西せせらぎ公園の水路にも生息しています。
「ジャンボタニシ」と言われる南米原産のスクミリンゴガイ〔リンゴガイ科〕は、侵略的外来種で、イネの苗やレンコンなどを食害し大きな被害を与えます。川西市清和台の旧県道側面の岩場にも生息している「ヤマタニシ」〔ヤマタニシ科〕なども、タニシの名が付いていますが、タニシ科とは系統が異なる貝のなかまです。