【コラム】地球温暖化のお話(41)カーボンニュートラル③
石津 顕
我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするためには、どうすればいいのでしょう。
温室効果ガスの大半は二酸化炭素であることはすでにお話しました。二酸化炭素の排出はほとんどがエネルギーに関連しています。そのため、二酸化炭素の排出を全体としてゼロにするには化石エネルギーの削減や代替エネルギーの議論がとても大事です。
下の模式図で説明します。
カーボンニュートラルの実現のためには、まず省エネルギーなど①によって、エネルギー消費(利用)を大幅に減らす必要があります。省エネルギーは世の中のすべての分野にわたって必要不可欠です。これはかなり大変なことです。省エネルギーで減らした後にエネルギーとして再生可能エネルギー②と○○エネルギー③などが必要になります。そして、削減できずに排出される二酸化炭素④を光合成などで、吸収・除去して⑤、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするというものです。
図中の○○エネルギーとして考えられるのが水素、アンモニア、メタンハイドレートなどです。水素については以前にお話しました。アンモニア、メタンハイドレートについては、この後の回でお話したいと思います。これらの新しいエネルギーを活用できる総合的な技術が開発できるかがこれからの大変な課題です。また、これらのエネルギーには一長一短があり、どれが主力になれるか現在では予想が難しいです。
さらに、これらの○○エネルギーは、どんな方法で材料を得るかが大問題です。化石燃料を使って得られる電力を利用するのでは意味がありませんね。
カーボンニュートラルで温室効果ガスの排出ゼロを実現するためには、国が強力な指導力を発揮して、大所高所から全体を見てのエネルギー政策を考えて、総合的な長期計画で技術開発を進める必要があります。現在のような縦割り行政の特定官庁だけの目先の目論みだけで実現できる問題ではありません。
温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするのという目標の高さの遠いことを率直に感じています。
