【コラム】地球温暖化のお話(64)カーネーション

石津 顕

5月14日は母の日でした。母の日に欠かせないカーネーション。

兵庫県は関西市場でカーネーション生産のトップシェア。県を代表する花の一つですが、地球温暖化による夏の高温で、秋の花の品質低下が問題になっていたそうです。

 

そこで、兵庫県農林水産技術総合センターではヒートポンプ空調機を利用し、夏季の夜間冷房による対策を検討した結果、夏季の日没後4時間を21℃で冷房することで、下のような品質向上や到花日数が短縮ができることが判ったとのことです。

 

1.無処理の切り花に比べて、秋季の茎が硬くなり、品質が向上(下左図)

2.終夜冷房よりも4時間冷房で消費電力を約40%削減可能に

3.年末までの切り花の開花までの日数が2週間以上短縮する(下右図)

 

一方でカーネーションにLEDを照射する研究もおこなわれており、前回お話した野菜を工場で栽培するように、カーネーションでも同じようにLEDの照射効果があるようです。

 

カーネーションにLEDの赤色光(波長620~630nm)および遠赤外光(波長730~740nm)を照射すると花芽の分化・発達が促進され開花が早くなったとのことです。

ただ、400~700 nmの可視光の波長は植物の光合成にも利用されるため、LEDの照射光がカーネーションにとってエネルギー源として利用されるのか、または花芽の分化 ・発達に関わる情報源として利用されるのかは解明されていないようです。

 

母の日のカーネーションを作るにも半導体技術が活用されているのですね。

 

最後に、私のふるさと岡山の画家・詩人 竹久夢二の母を想う詩を。

ふるさとの 山のあけくれ  みどりのかどに 立ちぬれて

いつまでも われ待ちたもう  母はかなしも

 

幾山河 遠くさかりぬ  ふるさとの みどりのかどに

今もなお われ待つらんか  母はとおしも

 

                            竹久夢二

自分を待っているくれているだろう母、その存在が悲しい。

故郷を想い、母を想い、さびしい心を歌った、万人に共通の母への想い。

 

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