【コラム】 旅へのお誘い 第21回 路面電車が走る街へ その5

松原 利明

路面電車が走る街へシリーズは今回でおわりです。
日本各地の路面電車を紹介してきたので、このコラムをご覧の方の中には地元関西はまだか………と思っていたかも知れませんので、いよいよ関西の路面電車です。

と言っても現在走っているところは少ないんですよねえ。かっては大阪市、京都市、神戸市にもそれぞれ市電が走っていたし、阪神電車の国道線とそれに付随する支線もあったのです。国道2号を路面電車が走るなんて、今では考えられませんよね。

本題にはいります。まずは京都の京福電気鉄道。通称「嵐電」と呼ばれ、阪急電車京都線の大宮駅すぐの交差点を渡ったところから嵐山へと途中の帷子ノ辻(かたびらのつじ)から北野白梅町への路線があります。

場所柄観光客の利用が多いです。この路線は電車専用線路の区間が多いのですが、一部道路との併用軌道もあります。そこでは、安全地帯がこんなに狭い停留所もあるんですよ(人ひとり分の幅しかない、体操の平均台のようで怖い)。

京都といえば「京阪乗る人おけいはん」その京阪電車の、京都市地下鉄に乗り入れている路線京津(けいしん)線の、びわこ浜大津駅近く。これは路面電車と言うものの、4両編成の郊外電車風の列車が走るので、なんか異様な気がします。

 このコラムのために撮影したものではなく、元画像は削除してしまったので、不鮮明ですみません。

最後に大阪。大阪市の南部と堺市内を結ぶ阪堺電車が走っています。一部帝塚山などの住宅街を走行しますが、ほとんどが下町情緒豊かなところばかりです。JR天王寺駅・近鉄大阪阿倍野橋駅横の天王寺駅前電停から住吉までの上町線と通天閣近くの恵美須町から住吉を経て浜寺駅前までの阪堺線の2系統がありますが、運行実態は天王寺駅前から浜寺駅前までが本線の感じです。
天王寺駅前から浜寺駅前は、日中1時間に10本程度(半数は途中の我孫子道まで)あるのに対し、恵美須町〜住吉〜我孫子道は、朝夕を除けば1時間に2〜3本の運行です。
さきに述べたように特に大阪市内は下町の味わいを感じられるところが多いので、その昭和感いっぱいところの一部を紹介します。

 

 

このコラムの 路面電車が走る街へシリーズの第1回では、「路面電車が走っている町は風情があるように感じます」と書きました。風情と言ってもいろいろですが、今回の阪堺電車はレトロな雰囲気のところを走っています。ぜひ一度行ってみてください。特に「新今宮」「北天下茶屋」あたりでしょうか。

5回にわたり全国の路面電車雨を紹介してきましたが、路面電車はまだほかにもあります。北陸富山県の富山市、高岡市。ここは路面電車の活用に積極的で、新路線や新型車両導入で頑張っています。かってこの両市へはよく行ったのですが、最近は行く機会がないので画像はありません。
それと福井市と越前市、武生市間を走る福井鉄道。ここも近く北陸新幹線が延長してくる為か、駅前を含め整備がなされています。私が撮影した下の画像は2010年のもの。この辺もずいぶん変わっていることでしょう。写っている車両は昭和30年代に製造された200形と呼ばれるもので、2016年に現役引退し、野ざらしになっていたのを、地域住民や鉄道ファンの要望でクラウドファンディングを実施、目標額を超える資金を集め、その後補修して2023年3月から北府駅敷地内の鉄道ミュージアムを整備し、一般公開されているそうです。

あと愛知県の豊橋市には、豊橋鉄道市内線。ここは営業路線としては半径11mの日本一の急カーブがあり、また「おでん電車」の運行などユニークな企画もあるとか。そして栃木県宇都宮市と芳賀町を結んで、宇都宮ライトレールが近く開業予定(2023年8月)。

環境にやさしい路面電車。皆さんも機会があれば乗車されてはいかがでしょうか。

不定期ながら20数回にわたり紹介してきたこのコラムですが、一旦終了させていただきます。お読みいただきありがとうございました。また機会がありましたら再開したいと存じます。新型コロナ対策もひとまず緩和されたことですし、ぜひ旅にでかけましょう。