【コラム】地球温暖化のお話(68)アップル・マンゴー
石津 顕
今年の夏はことのほか暑さが厳しい日が続きました。40度近くになる地点もあり、川西市でも熱中症アラートがたびたび発せられました。
日本の気候帯は温帯に属すると言われてきましたが、地球温暖化の影響で、温帯から亜熱帯になり、今では熱帯に近くなったとも言われています。
私は2006年から約3年間台湾・台北に駐在しましたが、台湾では亜熱帯から熱帯になったと言われ、北回帰線(北緯23度)が通る台湾は、夏は太陽がジリジリと真上から照りつけ、夕方になると毎日のように激しい雷鳴とスコールに見舞われ、その激しさは驚きでした。
台北では夏になると朝市の道端でマンゴーが3~4個カゴに盛られて200元程度(当時のレートで約700円)。1個約200円くらいでしょうか。
台湾で一番有名なのは日本でも人気のアップル・マンゴー。台湾では愛文芒果(アーウィンマンゴー)と呼ばれ、写真のマンゴーかき氷はとても人気でした。
今回は、半導体電子工学で私の大先輩のS氏(後にある電機メーカーの副社長になられた)から伺ったマンゴーのお話を紹介します。
戦前日本統治時代、S氏が台湾の嘉義農林学校で講師をされていた時に、同僚の園芸の先生がマンゴーの接ぎ木の研究をしていたが、なかなかうまく行かなかった。
接ぎ木は台になる木と接合させる木の形成層(樹木の外皮のすぐ内側にある肥大生長をもたらす層)が繋がると成功だけれど、マンゴーは形成層の接合だけではうまくいかなかった。
S氏は園芸の先生に協力していろいろ実験した結果、形成層だけでなく、栄養分を送る篩部の位置関係が合うことが重要であることが判り、軸構造の似ているリンゴを台木に使うとうまく接ぎ木できることが判ったそうです。
アップル・マンゴーの開発に日本の方が貢献されたんですね。やはり、アップル・マンゴーは赤く、リンゴに似ていますね。
ただ、やっかいなことにマンゴーは「ウルシ科」です。人によっては果汁に触れると、かゆくなったり、かぶれたりします。マンゴーを食べてかぶれたのでは残念ですね。アレルギーのある人はご用心です。
原産地:インド地方、東南アジア
国内のおもな産地:沖縄県(約49%)、宮崎県(約37%)、鹿児島県(約11%)
ちなみに嘉義農林学校は、日本統治時代の1931年の甲子園の中等学校野球大会で準優勝した強豪校、数年前にKANO(カノー)という映画にもなった学校です。嘉義(チャ―イー)は台湾中部にあり、有名な阿里山の登山口にもなっています。
家の庭先に、なにげなく実を付けたマンゴー、パパイヤ、街角のあちこちに咲くブーゲンビリア。
東京駅に似た煉瓦作りの総統府(旧 臺灣総督府)を初め、街の中に古い日本の雰囲気の残る、思い出に浮かぶ遥かな台北です。