【コラム】「猪名川アラカルト」第1回
猪名川ってどんな川?

8月28日より、コラムの連載を始めました。

川西市域・猪名川の自然と生きもの「人・くらし・自然」
環境省 環境カウンセラー 牛尾 巧

第1回 猪名川ってどんな川?

猪名川流域について、概観してみましょう。
猪名川は、淀川水系に属し、大阪府、京都府、兵庫県11の市町を流れ、神(かん)崎川(ざきがわ)に合流する一級河川です。流域面積383㎢、本流の長さは43.2㎞の典型的な都市河川ですが、流域全体の70%以上が山地で、自然が多く残っている川でもあります。源流は、猪名川町の大野山(おおやさん)で、標高753m〔七五三(しちごさん)で覚えてください〕、大小42本の支川と多数の枝川(えだがわ)をもっています。猪名川渓谷を南に流れ、槻(つく)並川(なみがわ)、阿(あ)古谷川(こたにがわ)、野尻(のじり)川(がわ)などが合わさり、屏風岩では川幅が狭くなります。さらに、ゴルフ橋で一庫(ひとくら)大路次(おおろじ)川(がわ)と合流し、川西市多田の盆地を過ぎ、銀橋を越え、昭和30年代遊泳場となっていた鶯の森・小戸井堰につながります。余野川、前川と合流し、呉服(くれは)橋(ばし)を越え、ドラゴン公園付近へと流れます。その後、最明寺川と合流し、川西市を離れます。池田市、宝塚市、箕面市、伊丹市、豊中市、尼崎市など多くの都市を流れ、最後は、神(かん)崎川(ざきがわ)と合流し、大阪湾へ流れていきます。猪名川流域関連人口約180万人、流域内人口約65万人の人々が猪名川の水とかかわって暮らしています。
今一つ、猪名川のいわれを調べてみました。住吉大社神代記(じんだいき)によれば、大昔、川のほとりに住んでいた山直(やまのあたい)阿我(あが)奈賀(なが)という者の名にちなんで、その川を阿(あ)我(が)奈賀(なが)川(がわ)と名付け、いつごろからか、為(い)名川(ながわ)と言われるようになった説があります。また、一説には、「新撰(しんせん)姓(しょう)氏録(じろく)」の摂津(せっつの)国(くに)皇(こう)別(べつ)に為名(いなの)真人(まひと)の名があり、「日本国誌資料」には、「偉那(いなの)君(きみ)は、猪名または為名とも記載されています。河辺郡為奈(かわべぐんいな)郷(ごう)より起こる」とあることが、そのおこりであるとも言われています。

〔注釈〕1級河川は、原則として2つ以上の都府県にまたがる河川で、国土交通大臣が指定したもの。2級河川は、原則として1つの都道府県内を流れる河川で、都道府県知事が指定したもの。

現在の鶯の森・小戸井堰付近

昭和30頃の鶯の森遊泳場・小戸井堰付近
〔川西市教育委員会提供〕