【コラム】地球温暖化のお話(37)燃料電池の応用②
石津 顕
地球上に大変たくさんある水素と酸素を反応させて電気と水を造る。その水を電気分解してまた水素を造る。これを繰り返せば二酸化炭素(CO2)を発生しないでクリーンなエネルギーを造り続けられますね。電気分解するための電力は化石燃料を燃やして作った火力発電で発電した電力ではなく、再生可能エネルギーを利用しなければ意味がないですよね。要注意ですが、うまくいけば地球温暖化を防ぐ有力な方法になります。
前回はガスをを使う発電と熱利用のエネファームをお話ししたので、今回は水素燃料電池自動車のお話をします。
燃料電池自動車(FCV)は、図にあるように、車両に搭載した燃料電池で発電し、モーターを動力にして走る電気自動車のことを指します。
燃料電池車のメリットは3つあります。
①エネルギー効率が高い。
水素と酸素を化学反応させて直接電力を作るため、エンジンで発電したり、外部からの電源供給で充電しなければならないハイブリッド車(HV)や、プラグインハイブリッド車(PHEV)に比べ、エネルギー効率がとても高いのが特徴です。
②有害物質を出さない。クリーンなエネルギー源。
燃料電池は水素と酸素を結びつけて電気エネルギーを取り出すもので、反応後は水(水蒸気)だけが排出されます。これまでの車が発生させていた一酸化炭素(CO)や窒素酸化物(NOx)や炭化水素(HC)、浮遊粒子状物質(PM)などの有害物質がまったく発生しない、クリーンで、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素も発生しません。
③充電が不要、航続距離が長い。古くから自動車に使われている鉛蓄電池や、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)に使われるリチウムイオン電池などの電池がなくなる状態になります。また長時間充電が必要な電気自動車と違い、短時間で燃料充填が可能であること、一回の充填による走行距離も長いのが特長です。このように燃料電池自動車は優れた特長を持っています。
水素が地球温暖化を防ぐための有力な材料であることをガス発電と燃料電池自動車についてお話しましたが、前々回に書いたように、水素社会という大きなビジョンが実現するには、解決しなければいけない課題がたくさんあります。その一つ、水素を安価で簡単に、大量に、安定的に作り出すことが大きな課題です。水素を作る電力は、初めにも書いた再生可能エネルギーで発電した電力の利用が必須です。この課題解決のために英知を結集して、人知を尽くして使命を果たして欲しいですね。地球温暖化を克服して、人類が永らく生存できるためのすばらしい技術開発に期待したいと思います。