【コラム】地球温暖化のお話(43)アンモニア②

石津 顕

カーボンニュートラルで二酸化炭素排出をゼロにするための有望なアンモニア。現在製造されている80%以上が肥料に使われています。エネルギーとして使うためには大量のアンモニアが必要になります。また、その使い方をどうすればいいんでしょう。
石炭火力発電所で20%アンモニアを混焼にすると1基で約100万トン、国内の大手電力会社の保有するすべての石炭火力発電所では約4000万トンになると試算されています。さらに、50%を混焼すると約1億トン、国内の大手電力会社の保有するすべての石炭火力をアンモニア専焼に転換すると、電力部門での排出量の半分に当たる約2億トンのCO2が削減できると見込まれています(下表)。 そのために必要となるアンモニアの量も下表の通りです。

石炭火力のボイラーで混焼する以外にも、燃料アンモニアはさまざまな活用法が検討されています。ひとつは、アンモニアを直接燃焼させてガスタービン発電に使う方法です。いくつかの研究機関が技術開発に取り組んでいます。
ガスタービン発電では燃料を燃やした際に発生する高温・高圧ガスでタービンを回し、電気をつくります。このように、石炭火力発電の場合と同じように、LNG(液化天然ガス)などの燃料とアンモニアを混焼して使う方法も考えられており、現在は50~2,000kW級の中規模ガスタービンで研究開発がなされています。また、燃料アンモニアだけを燃やして発電する専焼技術についても研究開発が始まっています。
大型ガスタービンでのアンモニア燃焼の研究が進み、55万KW級のガスタービンでアンモニアを燃料として発電することに成功すれば、一基につき年間で110万トンのCO2排出削減効果があるとされています。
一方で、アンモニアは燃焼の際にはCO2を排出しないものの、アンモニアの原料となる水素を石炭や天然ガスなどの化石燃料から製造する場合、製造過程でCO2が発生します。そこで、化石燃料から水素を製造する過程で発生するCO2を回収し地下に貯留する方法(CCS)や、CO2を再利用するカーボンリサイクルのほか、再生可能エネルギー(再エネ)を使って作った水素を使って、真の「カーボンフリー」の実現を目指す動きがあります。
アンモニアは、肥料にとどまらない、次世代エネルギーとしての大きな可能性が秘められています。地球温暖化を防ぐための切り札として大いに期待したいですね。

参考:資源エネルギー庁 https://www.enecho.meti.go.jp/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です