【コラム】植物は好奇心の宝庫(その25) ドクダミとカロライナジャスミン

藤原和夫

このコラムでは美しい花、美味しい果実、を中心に取り上げてきましたが、“綺麗な花には毒がある”の格言通り、毒草には美しい花をつけるものが多いですから、それなりの知識を持って上手く付き合って行く必要があります。
ということで、数回に亘って植物の毒性について取り上げたいと思います。

今回取り上げましたドクダミとカロライナジャスミン。 どちらが毒草? ご存知の方が多いと思いますが、毒草はカロライナジャスミンです。

カロライナジャスミンは、常緑のつる性低木で春には黄色い美しい花を咲かせますので、公園や遊歩道などにも植栽されています。ところがこの植物、全草にゲルセミンなどの有毒アルカロイドを含んでいて、呼吸麻痺、血圧低下、心機能障害などを起こす可能性がありますので、決して口に入れたりしませんように!
お茶や香料に使われる白い花のジャスミンは、モクセイ科ソケイ属、一方、カロライナジャスミンはゲルセミウム科ゲルセミウム属で、これら2種は全く異なる植物です。

他方、ドクダミは、庭にはびこり、葉に傷をつけると独特の匂いを放つことから、名称共々、毒草のイメージを拭えませんが、現実は逆です。
名前の由来には諸説ありますが、ドクダミは薬草として重宝されている植物で、毒があるどころか10の効果があると言われ「十薬」という異名も持ちます。

とは言え、ドクダミにもフェオフォルバイドaという光感受性の化合物が含まれており、服用したあとに太陽光にあたると皮膚を荒らす場合があると言うことですから、注意が必要です。

16世紀初頭に毒性学の父といわれた錬金術師であり医師であったスイスのパラケルスス(正式名は長すぎますので省きます)は “あらゆるものは毒であり、毒の無いものは存在しない。毒性を消すのはその用量のみ” との警句を発したと言うことです。 要は、植物の場合も、正しく使えば、人類にとって必須の薬となるが、使用量・使用法など間違った使い方をすると毒になる、と言うことになります。
因みに、厚生労働省の「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」(平成25年7月10日)によりますと、植物由来物等が238品目、動物由来物等が21品目、その他(化学物質等)が75品目と言うことで、全体の70%以上が植物由来とされていることから、医薬品の製造において植物が如何に重要であるかご理解頂けると思います。