【コラム】猪名川アラカルト第68回  春、代掻き 〔 田植え前 〕 の頃に出会う昆虫 “ケラ について

川西市域・猪名川の自然と生きもの「人・くらし・自然」
環境省 環境カウンセラー 牛尾 巧

第68回 春、代掻き 〔 田植え前 〕 の頃に出会う昆虫“ケラ“について

~生命賛歌「手のひらを太陽に」 の中に登場する 9 つの動物、その 1 つ “ケラ“です~

ケラ(螻蛄)は 、バッタ目ケラ科に分類されます。体長は約3cmで、草原や田畑にすみ、コオロギに近いなかまです。水辺にすむトビケラ〔 飛螻蛄 〕、カワゲラ 〔 川螻蛄 〕の名前も 、このケラ 〔 螻蛄 〕 が関係しているようです。
ケラは餌を土の中でとり、ほとんど地中で巣穴をつくって生活します。成体・幼体ともに雑食性で、植物の根や種子、小昆虫、セミ・コガネムシの幼虫、ミミズなどを食べます。活動が激しくよく動くので、水分不足や餌がなくなると、1日で死んでしまうことがあります。
オスは、初夏によく鳴き、前羽の羽脈に鳴くための発音器官があり、巣穴を共鳴室として使って、大きな声で鳴き、”ビー ・・・・”という連続音で地中から聞こえます。メスも小さい音で鳴きます。以前は 、ミミズの鳴き声 と信じられていましたが、ミミズは鳴きません。

地中生活するうえに前翅が短いため飛ばないように見えますが、発達した後翅を広げて飛びます。夜には灯火や自販機などにも飛んでくることがあります。ケラの行動を整理すると、❶地中を掘り進み、❷水上を泳ぎ、❸空を飛び 、❹地上を歩くなど、活動範囲が非常に広い生物です。卵は、巣穴の奥に泥で繭状の容器をつくり、中に固めて産み、親がそばで保護します。天敵は、ムクドリなどの鳥やカエル、イタチ、モグラなどです。
話は変わりますが、「 虫けら 」という言葉がありますが 、これは虫全般を指し、ケラとは関係ありません。
無一文になることを「 おけらになる 」と言いますが、これは 、ケラが前脚を広げた格好が両手を上げて降参する「 お手上げ 」の状態と似ているところからきているそうです 。〔 写真右下参考 〕