【コラム】猪名川アラカルト第73回 毎年、8月頃、タマムシ〔 タマムシ科〕 がやってきます!
川西市域・猪名川の自然と生きもの「人・くらし・自然」
環境省 環境カウンセラー 牛尾 巧
第73回 毎年、8月頃、タマムシ〔 タマムシ科〕 がやってきます!
朝、家を出ると壁にタマムシがとまっていました。また、近隣の里山公園〔 川西市〕 では、夏、成虫がよく飛んでいます。公園の炭焼窯横で、クヌギの丸太を割って薪をつくる作業中に、大型のカミキリムシやタマムシの幼虫が姿を現すことがあります。来園者や公園の関係者の方がタマムシやスズメバチがいたなどの情報を届けてくださいます。体験学習で来園する子どもたちに紹介することがあります。

タマムシのなかまは、日本にも多くの種類があります。その中で、ヤマトタマムシが最も美しい大型種で古来より珍重されてきました。平地から低山地に生息し、エノキやケヤキの高木周辺を日中に飛ぶことがあります。飛翔活動が活発で人が近づくと飛び去っていきます。北海道を除く、本州、四国、九州に分布し、体長は30~40mmです。活動期は6~8月で、7月後半が最も活発です。
交尾を終えたメスは、エノキ、ケヤキ、サクラの枯れ木などに産卵します。幼虫から蛹を経て2~3年で成虫になり、成虫の寿命は2ヵ月程度です。成虫はエノキやケヤキの葉を食べ、幼虫は木を食べて成長します。里山、森林、社寺林などの減少により、タマムシの個体数も減っています。
日本の甲虫の中で最も美しいと言われ、英語でJewel
beetlebeetle(宝石のような甲虫)と呼ばれます。全体に緑色の金属光沢があり、背中に虹のような赤と緑の縦縞が入っています。天敵は鳥です。鳥は、「色が変わる物」を怖がる性質があるため、タマムシのもつ金属光沢は鳥を寄せ付けないようです。
法隆寺宝物「玉虫厨子」の装飾としてタマムシが使われています。この虫が持つ金属光沢は、死んでも色が変わらないので、その特徴が生かされています。
「玉虫色」ということばがあります。この昆虫の色彩が変化することから、見方や立場によっていろいろに解釈できるあいまいな表現の例えとして使われています。