【コラム】地球温暖化のお話(67)アンサンブル予報

石津 顕

 

前回、天気予報は地球を細かい格子(メッシュ)に分けて、スーパーコンピュータで計算することによって天気予報が正確になったお話をしましたが、今回はもう少しだけ続けてお話します。

細かく分ける格子は、目先数時間程度の大雨などの予想には2km格子、数時間~1日先の大雨や暴風などの災害をもたらす現象の予報には5km格子、台風予報や1週間先までの天気予報には約13km格子の全球モデルと約27km格子の全球アンサンブル予報システムを使用しています。

ここで、アンサンブル予報システムという言葉。 話が難しくなるので、簡単にまとめると、この手法は、ある時刻に少しずつ異なる初期値を多数入れて多数の予報を行い、平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて気象現象の発生を確率的に捉える方法です。

図に2018年の1つの台風の進路予報をした例があります。少しずつ初期の条件を変えて計算した予報進路がオレンジ色(アンサンブル予報)、それらをまとめた進路予報が青色、実際の進路が黒色に示されています。

オレンジ色の予報では条件によってずいぶんいろいろ台風のコースに差がありますが、これらをまとめた青色の予想進路は黒色の実際の進路にかなり近く、予報精度が上がっていることが判ります。

ところで、台風の名前は今日本では第○号と数字で呼んでいますが、2000年以前はアメリカで女性の名前をつけていました。ジェーン、カスリーン、キジアなど大きな災害をもたらした台風が思い出されます。

2000年以後は環太平洋の国や地域で名前を出しあって、順番に名づけています。日本からはコイヌ、ヤギ、ウサギ、カジキ、コト、クジラ、コグマ、コンパス、トカゲ、ヤマネコ など10個の星座の名前を出してつけられてきました。台風の名づけにはいろんな歴史があるそうです。

 

宝塚歌劇の往年の大スターが名前に使った、天候にちなんだ百人一首の和歌を二首

村雨の 露もまだひぬ槇の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ

寂蓮法師

天津風 雲の通ひ路吹きとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ

僧正遍昭

 

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