【コラム】植物は好奇心の宝庫 その③ 味覚修飾植物?

藤原和夫

味覚に変化を及ぼす植物を指す言葉ですが、中でも ミラクルフルーツ が有名です。
ミラクルフルーツの実は、2cm程度の赤い実ですが、この実を舌の上で舐め転がした後、みかん、レモンなどをかじると甘く感じます。渋い赤ワインもポートワインの様に甘く感じ、ビールも甘い微妙な味に変化しますが、女性には好まれるかも知れません。

他にも、クルクリゴやストロジンの実が甘さを感じさせますが、クルクリゴはクローンの異なる株を一緒に植え付けねば着果しませんし、ストロジンの苗は希少性が高く未だに入手すらできていません。その点、ミラクルフルーツは比較的入手しやすく、冬の間室内に置いておけば越冬は可能ですし、着果も比較的容易ですから、試してみては如何でしょうか?

逆に、全く甘さを感じなくさせる植物として、ギムネマ、なつめ、ケンポナシが有ります。これらの植物は、実ではなく葉をかじることで効果を実感できますので、1鉢あれば年中楽しめます。 因みに、ギムネマの葉を切り刻んで、かじらずに飲み込んだ後、ケーキなどの甘いものを口にしますと、おいしさを損なわずに、ギムネマの成分が“糖分などの小腸での吸収”を阻止しますので、ダイエット効果をもたらします。更に、これら糖分などの養分が大腸に到達するため、大腸の中の善玉菌の養分となって、便秘の解消に繋がるという報告もありますが、これについては更なる検証が必要かも知れません。

ギムネマ・シルベスタの苗

以上の様に、甘さを感じさせる植物、逆に甘さを感じさせない植物の他、植物には興味深い不思議な効果をもたらすものが多数存在しますので、退屈することがありません。
1例として、西アフリカ原産の‘ソーマトコッカスダニエリ’という植物が有ります。

この植物の実には砂糖の3000倍という甘みがあるだけでなく、胃腸薬などの苦みを感じなくさせる“マスキング効果”、バニラエッセンスなどの効果を増加させる“エンハンス効果”など、複数の効果をもたらします。現在鉢植えで栽培中ですが、結実するのは何時のことやら。

藤原和夫さんのプロフィール

  • 1946年生まれ
  • 兵庫県立神戸高等学校卒業
  • 京都大学法学部卒業
  • 住友商事(株)に勤務
  • オーストラリア(シドニー・メルボルン)に転勤
  • 1986年(昭和61年)アメリカ(ニューヨーク・アトランタ)に転勤
  • 1992年帰国