【コラム】植物は好奇心の宝庫 (その⑨)植物の繁殖と遊び心

藤原和夫

植物の繁殖

植物の繁殖に多く用いられる方法は、実生、挿し木、取り木、接ぎ木、株分けなどですが、休眠期を終え、樹液の流動が始まる3~4月頃は絶好の接ぎ木のタイミングです。(因みに、接ぎ木は3月、取り木は4~5月、挿し木は5~6月が適期と言う植物が多いです。)
一方、実生の場合、植物によって播種の適期が異なりますが、播種の時期だけでなく、それ以外の点についても種子の販売者が推薦する播種方法を基本にされれば良いと思います。

挿し木、取り木、接ぎ木は、基本的に、花や果実など親木と同じ遺伝子を受け継ぐという利点があります。(特に果樹の場合、実を食べた後に種を蒔いて発芽した実生の株からは多くの場合著しく品質の劣る実しか得られません。)
さて、いずれの繁殖法にも様々な点で長所と短所が混在しますので、一概には言えませんが、概ね、成長の早い植物を多く繁殖したい場合は挿し木、株数は少なくても大きな株を作りたい場合は取り木、多くの苗を早く大きくしたい場合は接ぎ木と言った感じです。

接ぎ木の魅力

そんな繁殖法の中で、私にワクワク感を味わわせてくれるのが接ぎ木です。
1本の台木に1本の穂木を繋ぐという、普通の“繁殖の為の接ぎ木” では無く、

  1. キウィやオリーブのような異品種の授粉樹が必要な木に異品種の枝を接ぐことによって、1本の木に果実を結実させたり、(庭スペースの有効活用にも繋がります)
  2. 同属であれば、1本の木に複数品種の花木や果樹を接いで楽しむということも可能です。

1本の桜の木に何種類もの桜だけでなく、梅やスモモの花も咲かせたり、1本のミカンの木に、季節の移ろいに合わせて、次から次に品種の異なる柑橘類が実る、なんて、想像するだけでもワクワクします。
こんな絵空事の様なことが現実になるのか、やってみなければ判りませんが、文献によると、結構可能のようですよ。

我が家では、まず柿の木への接ぎ木から

手始めに、大きくなった富有柿の木に太秋柿の枝を接いでみました。

 

左の写真は、1本の富有柿の枝に太秋柿の穂木を1本接ぎ木。右の写真は、1本の枝に2本の穂木を接ぎ木。
いずれも簡単に活着・新芽が出て、1,2年後に、接いだ太秋の穂木に実がつき始めましたが、太秋と同じサイズと品質の実でした。
我が家の富有柿と太秋柿は、それぞれ隔年結果で、今年は富有柿、翌年は太秋柿と言った感じでしたが、この接ぎ木のお陰で毎年太秋柿を味わうことができました。
ところが、この接ぎ木部分の手前から出てきた富有柿の芽を掻き取らずに放置した為、富有柿に凌駕されて太秋柿の枝は消滅してしまったようです。
そこで、再度の接ぎ木を計画していますが、今年は、太秋柿の他、太豊柿、花御所柿も接ごうと考えていますので、上手くいけば、1本の木に4種の柿と言うことになります。

柿の実にメジロ

1月初旬の熟し柿の多い時には、10羽以上のメジロが集団でやってきます。メジロの中に
ウグイスが混じることもあります。

柿の実にアマガエル

蛙が集団でやってくることはありません。偶々見つけた昼寝中のカエル君です。

左は太秋柿、右は富有柿