【コラム】地球温暖化のお話(40)カーボンニュートラル② 

石津 顕

前回、カーボンニュートラルについて、我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすると総理大臣が宣言したことをお話ししました。地球温暖化を防ぐためには、実現すればすばらしいのですが、30年後に本当にできるのかなあと言うのが率直な感想です。その実現はとても大変なことなんです。

 上の図は日本の温室ガス排出量の年推移を示したものですが、ほとんど二酸化炭素が占めています。カーボンニュートラルの実現のためには、まず石油や石炭を燃やして発生する二酸化炭素を大幅に減らし(下図の排出削減の部分)、減らしきれなかった二酸化炭素を光合成や、その他の方法で吸収や除去することで排出量を全体でゼロにする必要があります。二酸化炭素の大幅な削減(脱炭素)のためには石油・石炭の化石燃料の使用を大幅に減らす必要がありますが、減らす方法が大問題です。化石燃料の代りにそんな大量のエネルギーを太陽光発電、風力発電、バイオマスなどの再生可能エネルギー、その他のエネルギーで賄うことは、現在の日本でのこれらの開発状況では難しいでしょう。それだからと、二酸化炭素の大幅削減のために、安易に原子力発電を利用しようとする動きが出ることを心配しています。原子力発電は二酸化炭素は排出しませんが、東北大震災の福島原発の事故で私たちは懲りています。原子力発電はまだまだ開発途上の技術であることを忘れてはいけません。

地球温暖化防止のためのカーボンニュートラル。その実現のための二酸化炭素の大幅削減。そのために原子力発電が復活することに私たちは慎重にならなければけません。また、原子力発電だけでなく、他の方法を使うにしてもいろんな思惑が出てくる可能性があります。脱炭素の議論から外れて政治の議論になって、カーボンニュートラルが押し潰されないよう祈りたいと思います。

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