【コラム】地球温暖化のお話(69)ブリの異変

石津 顕

私たちにとても身近な魚のブリが北海道で豊漁だと報じられています。今まで漁獲量が少なかった北海道で、かつてない豊漁が続き、1990年代に比べて約20倍という桁はずれの漁獲量だそうです。

2010年ごろには「サケの定置網にへんな魚が入った」と見慣れない魚だったそうですが、今ではブリと言えば北海道産と言われ、全国に出荷されて、「極寒ブリ」として「知床船上生け〆ブリ」などブランド化しているものもあり、羅臼漁協では「有名な氷見の寒ブリにもひけをとらない」と胸を張っているそうです。

近年日本近海ではブリの漁獲量が全体的に増えているそうですが、北海道の増え方は爆発的です。

北海道でブリが増えた要因として研究者は「海洋熱波」が関係すると見ています。「海洋熱波」は海水温が極端に高い状態が5日間以上続く現象で、人工衛星の観測では2010~2016年に毎夏発生し、昨年8月下旬に発生した「海洋熱波」は今年(2023年)1月中旬まで143日間続いたそうです。

複雑に変化する海流とブリの回遊、それらと「海洋熱波」の関係は簡単には結論付けられないと思いますが、サンマやマサバの不漁にも「海洋熱波」は影響しているようです。

今までブリは西日本中心に食べられてきましたが、これからは東日本中心になるかも知れないし、北海道名物の「サケのちゃんちゃん焼」が、「ブリのちゃんちゃん焼」になるかもしれないですね。こちらもおいしそう o(^▽^)o

ブリは出世魚。名前が関東でワカシ⇒イナダ⇒ワラサ⇒ブリ、関西でツバス⇒ハマチ⇒メジロ⇒ブリと呼び名が変わりますが、北海道では何と呼ばれるのでしょうか (╹⌓╹ )?

ブリ以外にも「海洋熱波」との関係は不明ですが、図にあるように、他の魚類の漁獲量にも大きな変化が見られます。これも気候変動の影響と思われ、気候変動は海の異変、さらには生態系全体にも大きな影響を落としつつあるようです。

最後に気分を変えて、海を歌った短歌を二首。

海恋し 潮の遠鳴り 数えては 少女となりし 父母の家   与謝野晶子

白鳥は かなしからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ   若山牧水

 

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