【コラム】地球温暖化のお話(33)再生可能エネルギー(9) バイオマスエネルギー②

石津 顕

今回はバイオマスエネルギーについて、いくつかの例を紹介します。
バイオマス燃料は植物や動物の死骸・糞尿から得られる燃料(生物由来)で、石油などの化石燃料に代わる環境に優しい燃料といわれています。炭、薪などいくつかのバイオ燃料は昔から利用されていますね。現在、需要の大きい燃料は液体バイオ燃料で,中でも最も生産量が多いのは,砂糖やデンプンを発酵させて得られるエタノールです。
エタノールの主な生産国はブラジルとアメリカ合衆国で、アメリカではトウモロコシを

京都市営バス

主原料として生産し,ブラジルではサトウキビを主原料として作っています。エタノールに次いで多いバイオ燃料は、大豆油、やし油などの植物油を主な原料とするバイオディーゼルです。廃食用油などの油脂を使うこともあります。
バイオディーゼル燃料をバスや公用車、ゴミ収集車などに生かしている自治体もあります。その先がけが京都市。1997年の気候変動枠組条約締約国会議(COP3)開催を機に、使用済み食用油の回収とバイオディーゼルの製造を開始し、市営バスとゴミ収集車、それぞれ100台以上に利用しています。
また兵庫県の北条鉄道。廃食用油を精製したバイオディーゼル燃料(BDF)だけを使った鉄道車両の試験走行を全国で初めて行いました。北条鉄道の列車が走り去った後、プ~ンと天ぷらの匂いがしたと新聞記事にありました(笑)

鹿追町バイオガスプラント

北海道の東南部に広がる十勝地方は農業と酪農が盛んな地域です。鹿追町では、約100戸の酪農家が合計2万頭の乳牛を飼育していますが、乳牛が排せつする大量の糞尿のにおいが町の大きな課題になっていました。町役場が2007年に糞尿を利用したバイオガスプラントを建設して発電に利用して、においの問題は大幅に改善するとともに発電に伴う排熱を利用してマンゴーの栽培やチョウザメの養殖が軌道に乗ってきたとのことです。

このコラムの第15回でお話ししたミドリムシ。学名をユーグレナといって生物学的には動物と植物の両方の性質を持った不思議な生き物です。鞭もうで自ら運動する一方で、細胞内には葉緑体を持っています。このミドリムシを大量に培養してジェット燃料を作る技術が開発されています。しかしミドリムシの素晴らしさは、水中に大量のCO2を送り込めば、それだけ光合成が活発化し、増殖が加速して収量が増えるということです。温室効果ガスのCO2を減ら

ミドリムシ

して、バイオ燃料を作り出すのです。
バイオマスエネルギーの利用例をいくつかご紹介しましたが、このコラムでも以前にお話しした海藻なども有望なエネルギー源です。利用できる材料はずいぶん身の回りにたくさんありそうなので、温暖化を防ぐために有効に使いたいですね。

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