【コラム】地球温暖化のお話(35)水素

石津 顕

地球上にあるすべての物質を細かく砕いていくと原子という非常に小さな粒になります。原子の種類は約100種類で、元素とも言われます。皆さんは水素(H2)をご存知ですよね。水素は約100種類の元素の中で原子番号1番。理科や化学で習った周期律表の左上の最初に書かれていて、宇宙全体では一番多く存在している元素です。水素は地球上に気体としてではなく、ほとんど水(H2O)として存在していますが、水以外の形でも存在しています。化石燃料の中やバイオマス(動・植物由来の有機性資源)の中などいろいろな物にたっぷりと含まれているため、水素を得る方法と原料はたくさんあります。

水素は酸素と容易に反応(燃焼)して水を作り出します。逆にその水を電気分解して水素を取り出すことができます。
自然界で循環している水を太陽光や風力などの再生可能エネルギーを使って、水素と酸素に電気分解すれば、理論上無限に水素を取り出すことができる循環型エネルギーとしても注目を集めています。(二酸化炭素(CO2)は発生しません)。これはすごいことだと思いませんか?

最近では水素からエネルギーを取り出して、モーターを回したり、電源や熱源として利用できることが見直され、その可能性が注目されています。図にもあるように ①燃やしても二酸化炭素を出さない ②資源の無い日本でも作れるし、枯渇しない ③エネルギーを水素に変えて貯められるなどメリットはすごいです。
現在では産業用途として、肥料製造や半導体加工、さらに石油化学工業などで広く使われていますし、FCV(燃料電池車)や家庭用燃料電池(エネファーム)などの言葉を見聞きすることが増え、水素を身近に感じるようになりました。
多くのエネルギーの中でも極めてクリーンなエネルギーとして注目されている水素。化石燃料からの脱却、再生可能エネルギーの有効な利用、新産業創出と「水素社会」のもたらすメリットは温暖化防止の面からもとても有望です。水素社会という大きなビジョンが実現するには、解決しなければいけない課題がたくさんありますが期待がいっぱいです。

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