【コラム】オオムラサキ 36回目 : 2021-2月号

兵庫丹波オオムラサキの会  会長 足立 隆昭

オオムラサキの越冬場所

晩秋、越冬幼虫となった4齢幼虫はそれまで棲息していた葉から離れ小枝を伝い幹から地上の落ち葉に下ります。
越冬幼虫の越冬場所は、株元からの方向(東西南北)および距離について諸説論じられています。
山梨県北杜市オオムラサキセンターにおいて、2006年4月越冬位置を調査された稀少なデータを紹介します。

山梨県北杜市(オオムラサキセンター)平坦生息地の越冬幼虫の位置

平坦地で落ち葉の量、日照・温湿度に変化がないためか計37頭が東・西・南・北ほぼ均等に生息しています。越冬幼虫はエノキから1m以内に生息しています。
考察に、「エノキの生えている場所の斜面の方向、エノキの落葉期の風の方向によって落ち葉の量が場所によって異なるが、落ち葉が5~10層程度ある安定して堆積した場所を選ぶ」としています。私は篠山市で株元から4.6m離れた場所で観察したことがあり、越冬幼虫は棲み心地が良く、できるだけ根元に近い場所を選ぶのだろうと考えています。棲みよい場所:その諸要因のデータ収集解析が必要と考えています。

文責:足立 隆昭
参考文献オオムラサキ:信濃毎日新聞社
チョウの生物学:東京大学出版会

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