【コラム】オオムラサキ 46回目 :2022-2月号

兵庫丹波オオムラサキの会  会長 足立 隆昭

1,現在、オオムラサキは

今、オオムラサキは地上にあるエノキの枯葉に潜り込んで4齢幼虫で越冬しています。下写真:(黄色の矢印)
枯葉と同色で見にくいですが頭に1対の角と背中に4対の突起があります。
11月下旬から3月下旬の4か月の間、何も食べません。
越冬幼虫はー23.5まで凍りません。
2022年1月26日明峰小学校校庭の飼育ケージで撮影しました。

2.青く輝くブルーオオムラサキ

輝くブルーオオムラサキについて

日本のオオムラサキのオスの翅表については、青紫色が少し薄い北海道から黒みを帯びる濃青紫色の九州まで、微妙な地方変異が知られている。
最近、青く輝きの強いオオムラサキが話題になっています。
ブルーオオムラサキの先駆けは2009年(小舘)長野県産の輝きの強い個体が報告され、続いて大分県北部から一頭の青みを帯びた輝きの強いオスを飼育により得た報告がされていた。また滋賀県の同好者の間で鈴鹿山地の越冬幼虫を累代飼育していたところ、青く輝くオオムラサキの出現を記録、「ブルー」と呼ばれていた。
山本毅也グループが引き続き累代飼育し、青く輝く「ブルー」はメンデルの法則の劣性遺伝形質であることを突き止め、「蝶と蛾」65(1)5-16 2014に「メンデル式の劣性遺伝をすることが判明したオオムラサキの青い異常型」長崎二三生・山本毅也・北方健作・
脇坂昇として掲載されている。

論文要旨

  •  2005年の幼虫から累代飼育して獲得した輝くブルーの純系個体は劣性遺伝子形質である。
  •  ブルーオオムラサキも構造色であり、正常のオオムラサキに比べ鱗粉の櫛状構造の櫛に付いているヒダの間隔が広く、それが輝きの強いブルーの要因である。
    襞の間隔:(正常型は103nm(ナノメートル)「青く輝くブルー」は169nm)
    (注)nm=10億分の1m

参考文献

チョウの生物学  東京大学出版会
蝶と蛾 65(1)5-16 2014
生物のノナ構造による発色と視覚の作用
木下 修一
(平成21年度情報処理学会関西支部)

文責:足立 隆昭

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